志望校対策
10月になってもまだまだ暑い日が続きますね。
- 千葉入試まで102日、都内入試まで114日。すこしずつですが確実に本番に近づいていっている中、志望校合格までの距離は縮まっているでしょうか。
過去問演習も始まり、1ヶ月以上が経ちましたが、その意味が十分にある子とそうでない子に分かれています。色々と要因、原因となるものはありますが、大きいものでは基礎力と直す力が挙げられるでしょう。
夏に固めなければならなかった基礎力をしっかりつけきれなかった、もしくは「次、二度と間違えないためにどのように直せばいいのかを考えテスト直しに取り組む」ことができていないと、過去問演習の効果は半減してしまいます。
学校の説明会に行くと先生方は揃ってこういうでしょう。「過去問が大事です。何度も取り組んでください。」そして、実際受けてみるとこう思います。「たいして同じ問題出なかったな。」
当たり前です。過去に出題した問題をどうして出そうと思うでしょうか。出すわけがないのです。10年以上たっているのであれば話は別ですが、去年、一昨年出したものを出すわけがないのです。
じゃあなんでやるの?という疑問が生まれますが、過去問演習には次の3つの大きな意味があります。
①レベルを知る
②分量、時間配分、捨て問、問題構成の分析
③直すことによって間違えた周辺の知識や解法をもう一度修復する
①レベルを知る
今の実力と志望校との距離感を掴まなければなりません。ただ合格最低点に今の時点で達していないといけないということは無いです。本番のその日まで皆が努力し続けて出した平均点であり、合格最低点ですので、届いていなくてもいいのです。ただ、当たり前ですが、全く実力に見合わない学校は避けた方がいいでしょう。偏差値的にもそうですが、相性の合わない学校もあります。(「受かる学校」をとるのか、「受かりたい学校」をとるのかは個人個人で意見が分かれるので、今はおいておきましょう。)しっかりと今の自分と志望校にどれだけへだたりがるのかを知ることが大事なのです。
また、レベルを知る上で大事なことがあります。それは「直せるかどうか」です。よく「直しが進まない」とか「直しが何度やっても再提出」になる学校はまず受かりません。特に算数、理科は直せない問題が多いと志望校との差がかなりあることを表します。またこの過去問演習までの期間にしっかりと直しノートを作ってこなかった子はここで苦戦します。いつも口酸っぱく直しのことを言うのはこのためです。
志望校と自分のレベルを知る。過去問演習の大事な目的です。
②分量、時間配分、捨て問、問題構成の分析
どれくらいの問題量で、どこらへんに点数の取れる問題があるのか、自分の実力ではおよそ解けない問題や時間ばかりをくってしまう問題……そういったものをしっかりと把握することも過去問演習の大きな目的です。いわゆる過去問分析ですね。もちろん講師たちはわかっていますが、受験生本人がそれを体得することが大事です。自分はどこらへんをとればいいのか、自分はどこの分野を集中的に学習していかなければならないのか、ここがしっかりわからないままただやみくもに勉強をしても意味がないのです。
③直すことによって間違えた周辺の知識や解法をもう一度修復する
先程同じ問題は出ないといいましたが、似たような単元、似たような部分、似たような聞かれ方といった部分が同じと言うことはあります。ある程度の年数は各教科で同じ先生方が問題作成に当たるので、偏りはでます。学校の先生方はそういう部分をもって「過去問演習を!」と言うわけです。なので、過去問演習、そして直しにしっかりと取り組むことによって、各学校で出題されやすい単元や問題をしっかりと身に付けることができるわけです。
ここまで書きましたが、つまり大事なのはしっかりと直しをして、それを添削してもらうことなのです。小学生が一人で過去問に当たって、上記のことが出来るでしょうか。長く中学受験を指導している講師の目で見て、手を加えないと各学校に対応する力はつかないのです。
だからこそ出来ていない子には厳しく注意しますし、6年生になって、過去問をやり始めるようになって急にできるようにはならないので、5年生の頃からテスト直しに取り組ませているのです。
6年生が本番間近なのは言うまでもありませんが、5年生は自分達があと1年で本番間近になることを自覚しなければなりません。
今過去問直しがなかなか進まなかったり、直しをする意味がいまいちわからなかった6年生、なかなか取り組めていない5年生。しっかりと自分の間違いに向き合って修正し、志望校合格へ近づいていきましょう。