12期生の受験を終えて〜オセロ〜

本日で應修会12期生の全日程を終了しました。合格実績に関しましては現在判明順での掲載となっております。ご確認ください。第一志望校合格率は60.8%、第二志望校までの合格率は82.6%となっており、23名全員が進学先を確保しております。また、入塾時の選抜試験は行っておらず、特待制度もございません。他塾生のフォローや個別・オプション授業のみの受講も受け付けておりません。その年その年で集まった子達で、そのレベルに関わらず各々の志望校合格を目指すことを目的としております。全員本当によく頑張りました。誇りに思います。

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24歳で開業し、同時に父親となった私にとって12年目の今年は毎年と同じように生徒を送り出す立場でありながら、受験生の親として走り抜けた1年でした。塾講師としてはそれなりに長くやってきましたし、多くの生徒の受験をサポートしてきましたが、親の立場から見た受験は違った景色に見えました。そこで得たものは13期生、14期生……へとフィードバックしていきます。

この10数年の間に中学受験もだいぶ変わってきました。新設校が続々と出てきて、軒並み難易度を上げ、それに合わせて伝統校も立ち位置を変えるようになりました。場所柄受ける子が多い千葉の私立校も合格をいただくこと自体がどんどん難しくなっていますし、受かったら行きたいと思える学校の1つとなりましたし、それ故に都内では大きくチャレンジする子も増えました。生徒にとって、家庭にとって選択肢が増えたことは良いことですが、より戦略的に受験に臨まなければならなくなったなと感じています。

受験生の親はその受験を通して我が子のいろいろな部分に目を向けることになります。成長した点や良いところばかりではなく、むしろ目につくのは成長しない点や悪いところの方が多いかもしれません。すると親は「自分の育て方が悪いのではないか」「あの時あれをやらせればよかった」「あれをしたことが余計だったのでは」と考えることが多くなり、家庭内で衝突することも増えるのかなと思います。我が家もいろいろありましたし、今年も多くの家庭から様々な悩みを聞き、その度にいろいろな壁を乗り越えてきました。その結果全員が第一志望に合格!……となればそれはこれ以上ない喜びとなったのですが、何度トライをし続けても届かなかったり、憧れの1校への扉は開かなかったりした子は今年もおりました。このように「不合格」と評価をされるのは12歳の子供にとって初めての経験かもしれません。本当にショックだと思います。私も受験生の頃、不合格となった経験がありますから。親としてもオンラインでの合否発表が主流となった今、「残念ですが、不合格です」のあの画面はトラウマになりそうなくらい心抉られますよね。気持ちは痛いほどわかります。

でもそれは君たちが、子供達がダメだ、なんてことは全くなく。出題された単元、本番の緊張感等様々な要因でその日力を発揮できなかった子もいるでしょう。また皆様々なことがありましたが、最後は間違いなく全員が目標に向かって努力をし続けました。しかし中学受験は人生で一度しかなく、受ける日が決まっています。残念ながら今回はそれに間に合わなかった子もいるでしょう。でもそれはタイミングの話、ただ今がそういう結果になっただけ。ダメだなんてことはない。この先どうしようもなくなったなんてこともない。

例えるならば、範囲の決まっていないオセロのようなものだよ。今は真っ黒に見えるかもしれないけれど、これは角も端もないから。君のこれからの一手一手で盤面をいくらでもひっくり返して白く輝かせることができる。悔しい思いをしているならば、それを糧に次のステージで頑張ればいい。また一方で今嬉しさに満ち溢れている子もいるでしょう。でも決して慢心することのないように、驕れるものは久しからず、ですよ。だらけた、気の抜けた一手で今の状況なんて簡単にひっくり返る。つまり、こんなところで君たちの人生が決まったりなんかしない。今見えている範囲の盤面なんかちっぽけなもので、大きく外に目を向ければまだ何も手のついていない世界がたくさん広がっているから。

だから新しいステージで思いっきり楽しんでほしいし、思いっきり努力してほしい。君たちの前向きな気持ちと行動で、君たちの日々の生活と将来は変えることができる。でもどうしても辛い、どうすればいいのかわからないってなった時はいつでも相談に来てください。何ができるかはわからないけれど、君たちと一緒に考えるから。1人で塞ぎ込まないように。そして、出来たら君たち自身が相談して欲しい。DMやメールや電話でも構わないから。

また、自分のいく学校に誇りを持ちなさい。そこで頑張る自分に胸を張りなさい。時に心無い発言をする、器の小さな人間に出くわすこともあるでしょう。でも相手にしないこと。君たちも同じ場所におりていく必要はない。時間の無駄だからね。無いとは思うが、そういう人間になることのないように。たとえ君たちが行く学校が偏差値が高くても、有名な学校でも、他人を蔑んでいい理由にはならないし、君たちはまだ何も成し遂げてないからね。この先の一手一手のことだけを考えて過ごしなさい。今と同じように、かっこいい君たちのままでいてもらえたらなと思います。

 

保護者の皆様方、本当にお疲れ様でした。長かったですね。ずけずけと失礼な物言いをたくさんしてきました。子供達にもそれはそれは厳しく厳しく接してきました。お気を悪くされた方も多いと思います。この場をもってお詫び申し上げます。

子供達が算数をやっていなかったり、問題集に手をつけていなかったり、直しをしていなかったりしている様子を見て、違和感があるかもしれません。勉強しないの?と言いたくなりますよね。でも今しばらくこの時間を楽しませてあげてもらいたいなと思います。今週末から英数のスタートアップが始まりますので、楽しい時間も過ごしながら、少しずつ準備をさせていきます。ここで少し手を離してみましょう。もちろん目は向けながら。自立の一歩目をここでもってきてもいいかなと思います。手を離してしばらくはコケます。痛がりもします。程度は見なければなりませんが、自分で解決できそうであれば親は口出さなくてもいいかもしれません。

 

卒業旅行、案内を出した通りに行います。ちょっと混んでそうですが目一杯楽しみましょう。バスケかフットサルもやりましょうか。バスケの方が女の子も参加しやすいのかな?ちょっと空き状況も見て決めてみましょうか。もう少しみんなで楽しむ時間を確保して、春からそれぞれ新しい場所で頑張ってもらえればと思います。君たちがもう少し大きくなったら、一緒に食事したり、20歳になったらお酒を酌み交わしたりしましょう。嫌でなければ。

ひとまず今は楽しもう。やり切った後のこの時間、次に目を向けることもとても大切だけれども、ゆっくり休んで、しっかり楽しむことも同じくらい大切だから。進学する学校での生活に夢を膨らませながら、共に戦った仲間達や、遊びたくてもなかなか都合が合わず遊べなかった学校の友達と思いっきり遊んでください。

 

皆本当にお疲れ様でした。そして合格おめでとう。君たちが大きく羽ばたくことをこれからも祈念しています。

 

2023年2月7日

中学受験指導塾 應修会

塾長 茂山起龍

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